Dev:JA/Ref/Release Notes/2.82/Physics

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Cloth(クロス)シミュレーション

  • 風船のシミュレーションなど用に、内部気圧シミュレーションを追加。(f6cefbef22c8)
クロスの気圧の例 (Zuggamasta 氏作)
  • ソフトボディのような挙動の布の作成用に、内部クロススプリングを追加。(62ef59aa0cca)
内部クロススプリングの例。左側のトーラスは内部スプリングなし、上側はあり。右側は内部スプリングに頂点グループによる影響を与えた物。

Fluid(流体)シミュレーション

Mantaflow (http://mantaflow.com/) は新しくBlenderに入った、物理ベースの流体シミュレーションフレームワークで、気体(煙と火)と液体のシミュレーションを処理します。これは現存の流体シミュレーションシステムを完全に置き換える物で、流体での作業方法も変わります。

新しい Mantaflow 流体システム内のウェーブレットノイズによる炎 (Crossmind Studio 作)
Blender2.82 mantaflow fire crossmind.png

互換性

旧ファイルの読み込みは一部のみ可能です。既存の Fluid(流体)と Smoke(煙)モディファイアーは廃止されました。古いファイルの読み込み時、これらのモディファイアーは、煙と液体の両方を処理する新しい「Fluid(流体)」モディファイアーに変換されます。これらの変換されたモディファイアーのすべての値はデフォルト値に設定され、手動で再調整する必要があります。

以前の流体と煙シミュレーションのファイルのバックアップを取っておくことをお勧めします。Blender 2.82でこれらのファイルに保存してしまい、モディファイアー情報が上書きされて取り返しの付かないことにならないようにするためです。

全体的な変更

気体と液体シミュレーションの両方に適用されるシミュレーション設定は融合されました。現在、両タイプは同じ UI を使用するようになりました。

Domain(ドメイン)設定

  • Adaptive Time Step(適応タイムステップ): シミュレーションが(フレーム毎だけでなく)フレーム間にも実行することができるように。特に流体と Obstacle(障害物)との相互作用が、この設定により正確になります。ユーザーはフレーム間に実行できるシミュレーションのステップ数を指定可能です。
  • ドメインの衝突判定がもっと柔軟にコントロール可能に。壁毎に個別に有・無効が設定可能です。

Flow(フロー)設定

  • フローの挙動:流体フローの "Type"(タイプ)と "Behavior"(挙動)が二つの別々のフィールドになりました。
  • Sampling sub-steps(サンプリングサブステップ): この機能はドメインオプションの Adaptive Time Step(適応タイムステップ)設定と同期しています。つまり、サンプリングはサブシミュレーションステップ数も考慮しているということです。
  • Initial velocities(初期速度): 法線や XYZ 座標系を元に速度を設定可能になりました。

Effector(エフェクター)設定

Collision(コリジョン)と新しく導入された "Guiding"(ガイド)オブジェクトは共にエフェクター流体タイプに属しています。これらのオブジェクトは、シミュレーションの流れに影響を与えることを意図しています。つまり、流体ドメイン内でのこれらの存在は、速度フィールド全体に影響するということです。

  • エフェクタータイプ "Guide"(ガイド): このタイプの流体モディファイアーのあるオブジェクトは、速度フィールドを描くのに適しています。これは実際のベイク中で使用され、流体の流れる方向に影響を与えます。

Gas(気体)シミュレーション

煙と炎のシミュレーションが新しいシミュレーションバックエンドを手に入れたと同時に、UI内の設定はほとんど同じものが残りました。 Blender 2.81以前のシステムと比べた違いは以下のようなものがあります。

  • 低解像度と高解像度のシミュレーションループが分離されました。煙・火炎シミュレーションのアップスケールバージョンは "Noise"(ノイズ)パネルで別々にベイク可能になりました。
  • 旧煙シミュレーションの設定は、新しい気体システム内では値の尺度を変える必要があるかもしれません。

Liquid(液体)シミュレーション

液体のシミュレーション設定が一新されました。新しい(FLIP)ソルバーは旧シミュレーションのどの設定も使用していません。

  • 液体シミュレーションに個別に設定・ベイクできる、3つの要素、Liquid Particles(液体パーティクル)、Mesh(メッシュ)、Secondary Particles(セカンダリパーティクル)ができました。
  • 液体シミュレーション要素は、それぞれ解像度を持ちます。例えば液体メッシュに、根底をなす FLIP パーティクルシミュレーションの2倍の解像度を持たせることができます。
  • 液体シミュレーションのセカンダリパーティクルには3つのタイプ、Spray(霧)、Foam(泡沫)、Bubble(水泡)があります。