Dev:JA/Ref/Release Notes/2.83/Cycles

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Blender 2.83: Cycles

Adaptive Sampling(適応サンプリング)

適応サンプリングにより、Cycles は自動的にノイズの少ない領域でのサンプル数を減らし、レンダリングが高速化し、ノイズ分布がより均等になります。例えば、キャラクターのヘアーには多くのサンプル数が必要になりますが、背景はほんの少しでいいでしょう。

▼Sampling(サンプリング)パネル→ Adaptive Sampling(適応サンプリング)設定で有効になります。デフォルトでは、ピクセルのサンプリングを止めるしきい値は、AA サンプル数に適応しています。これにより、全体的なレンダリング時間が(私たちのテストシーンでは10~30%)短縮し、特にデノイズ後では、その結果はほとんど区別がつかないでしょう。

また、適応サンプリングで、ノイズ量を目標とする画像のレンダリングが可能になります。これは Noise Threshold(ノイズしきい値)設定で行い、値は通常、0.1から0.001の範囲になります。その後、レンダーのサンプル数を大きな値に設定すると、レンダラーは自動的に最適なサンプル数を選択します。

設定

  • Noise Threshold(ノイズしきい値): ピクセルのサンプリングを続けるかどうかを決める、エラーのしきい値。通常値は0.1から0.001の範囲になり、小さな値でノイズが減ります。0に設定すると、Cycles が総サンプル数を元に、値を自動的に推量します。
  • Min Samples(最小サンプル数): 適応サンプリング起動前に、一つのピクセルが受ける最小のサンプル数。0(デフォルト)で、自動的に総(最大)サンプル数の平方根に設定されます。

GPU レンダリング

GPU レンダリングではパフォーマンスを出すため、適応サンプリング時に大きめのタイルサイズが必要になる時があります。CPU と GPU の組み合わせでレンダリングする場合、CPU と GPU 上でレンダリングされるタイルがきっちり合わない可能性があります。将来のリリースでこれらの問題を自動的に解決する方法を調査する予定です。

OptiX ビューポートデノイズ

Cycles が OptiX の AI アクセラレーテッドデノイザーによる、最終レンダーのデノイズに加え、Blender ビューポート内でのデノイズに対応しました。これにより、レンダリング後のシーンの忠実で完全なビジュアルを、非常にすばやくノイズなしで見ることができます。

有効化するには、Cycles のレンダー設定にある、新しい "Viewport Denoising(ビューポートデノイズ)" ドロップダウンリストで "OptiX AI-Accelerated(OptiX AIアクセラレーテッド)" を選択してください。

さらに、そのシステムに最低一つの OptiX 互換デバイスがあれば、どのレンダーデバイス(CPU 含む)でも OptiX によるデノイズが利用可能になりました。デノイズは最初の OptiX 互換 GPU で実行され、一方、レンダリングは選択中の全レンダーデバイスで同時に実行されます。

この機能を使用するには、NVIDIA の RTX GPU と、最低でも441.87(Windows)または440.59(Linux)ドライバが必要です。

シェーダーノード

  • Wave(波)テクスチャノード:
    • X、Y、Z軸の方向モード。従来の斜めまたは球状ではなく、軸で整列します。X が新しいデフォルトで、既存のファイルでは互換性のため、斜めまたは球状を使用します。
    • Phase Offset(位相オフセット)。その方向に波をずらします。アニメーションや歪みをつけるなどの用途があります。
  • Noise(ノイズ)と Wave(波)テクスチャノード:
    • Roughness(粗さ)入力を追加。スムーズなノイズパターンと、くっきりとしたピークの粗いパターンをブレンドします。
  • Vector Math(ベクトル演算)ノード: Sine(サイン)、Cosine(コサイン)、Tangent(タンジェント)、Wrap(ラップ)関数。
  • Math(数式)ノード:演算を元にした適応ソケットラベル。
  • White Noise(ホワイトノイズ)ノード:新しいカラー出力。
  • 新しい Vector Rotate(ベクトル回転)ノード:Axis Angle(軸の角度)、単一の軸、Euler(オイラー)回転を使用し、Center(中心)点でベクトルを回転します。

ボリュームレンダリング

新しい ボリュームオブジェクトと共に、ボリュームをレンダリングする Cycles の設定が変更されました。ボリュームの Step Size(ステップサイズ)はボクセルサイズを元に自動的に推量させるか、オブジェクトごとに手動で設定できるようになりました。現存のファイルは変更が必要になるでしょう。

大きなボリュームステップサイズでレンダリングが高速になりますが、細部が失われ、ノイズが増える可能性があります。小さなボリュームステップサイズで細部を多く捉えることができますが、レンダリング速度は低下します。

  • レンダーとビューポートのステップレート:
    大きくするとレンダリング速度も上がります。このステップレートはシーン内の全オブジェクトに影響します。
  • オブジェクトとワールドのステップレート: 自動推量の代わりに、手動でステップサイズを設定します。
  • マテリアルのステップレート:プロシージャルや Point Density(点密度)テクスチャなど、シェーダーにより追加される細部を捉えるには少なくします。

その他の機能

  • Open Shading Language がバージョン 1.10.9にアップグレードされました。
  • スペキュラーBSDF用のデノイズパスを改善。
  • サブサーフェススキャッタリングとディフューズの伝播(Transmission)が diffuse(ディフューズ)レンダーパスの一部となり、コンポジティングとベイキングが単純になりました。
  • 新しい "Progressive Multi-Jitter(プログレッシブマルチジッター)" サンプリングパターン。適応サンプリングで使用されます。