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2018年6月29日 (金) 06:07時点における最新版
目次
Blender 2.70: その他の機能
前方互換性を破壊する変更点
以下の変更は前方互換性を壊しており、このバージョンで保存したファイルは、以前のバージョンでは100%正しく開くことができません。 (訳注:不用意に上書き保存すると旧バージョンで正しく開けなくなるということです)
角度:内部的に度からラジアンに
Blender 内部では、角度はラジアンとして格納されています(ただし UI では度として表示されます)が、いくつかの所ではまだ度で格納されていました。そのため、内部コードが散らかってしまい、T32843 のようなバグが生まれていました。
以下は影響のあるプロパティです。
- データ:
Lamp.spotsize
:
ゲームエンジンはこの設定を「度」で公開していました。API を壊さないよう、ここは(getter/setter 関数を使用して)その通り維持し、内部ではまだラジアンを使用しています。Mesh.smoothresh
:
うまくいけば現在開発中である loop normals で完全にリプレースされると思っているため、これには触っていません。
- モディファイアー:
EdgeSplitModifierData.split_angle、BevelModifierData.bevel_angle
:
完了。
- ポストプロセス:
WipeVars.angle
(シーケンサーのエフェクト)、NodeBokehImage.angle、NodeBoxMask.rotation、NodeEllipseMask.rotation
:
完了。
- Blender ゲームエンジン:
bConstraintActuator
:
方向(Orientation)タイプは完了(minloc[0] と maxloc[0] のケース)。「位置制限(limit location)」タイプには触っていません。回転制限(limit Rotation)もありますが、RNA を通じて同じ limit_min/limit_max を公開しており、モードによって距離と角度の両方の値になる可能性があります。これは BGE チームに任せる予定です。bSoundActuator.cone_outer_angle_3d、bSoundActuator.cone_inner_angle_3d
:
完了(注:BGE 内では角度のままにしています。これはおそらくここでは予想された値だと思われます…)。bRadarSensor.angle
:
完了。
アーマチュア(Armature)
- 選択を切断する分離 (Split)ツールを追加。メッシュ、カーブ、UV編集用の同ツールに合わせています([Y]キー)。(r60981)
- ミラー(Mirror)選択オペレータを追加、一方からもう一方に選択を反転できます。(r61152)
- CtrlRMB によるパス選択(Path Selection)が可能に。アクティブボーンからマウス下のボーンまでの経路を選択します(メッシュ編集と合わせたショートカットです)。(a08750addf764c8)
- ロールの再計算(Recalculate roll)が、親ボーンとの角度を元に計算できるように。(0213a43562cd60f)
アニメーション
- CtrlAltRMB でドープシート(DopeSheet)内のすべてのキーフレームを選択できるように。(r60895)
- アニメーションエディター内のグループの選択で、関連するボーンが選択されるように。(r60823)
Fカーブ正規化表示(r60999)
アニメーションワークフローの改善を支援するため、グラフエディター(Graph Editor)の Fカーブ(Fcurve)モードのヘッダに二つのオプションが利用可能になりました。
- 正規化(Normalize)。カーブの値を[-1,1]の範囲にリマップします。
- 自動正規化(Auto-normalize)。これはおそらく「ロック」とも呼ぶべきもので、カーブの正規化スケールを「ロック」します。これはカーブ調整中にジャンプしてしまうのを防ぐのに便利です。
ノイズ(Noise)Fモディファイアーのタイムオフセットオプション(5cf987c)
Fカーブのノイズ(Noise)モディファイアーにノイズを時間でオフセット(Offset)する Float プロパティが追加されました。
これは手続きアニメーションによるノイズに完全に追従するノイズを作成するのに便利です。
例えば、追加の動きを与えるのにノイズモディファイアーを親のボーンで使用しているとします。動きの伝達を加えるのに早くて簡単な方法は、このモディファイアーのコピーを子に作成し、これらのカーブのオフセットを設定することです。
モディファイアー
- ビルド(Build)モディファイアーに、「反転」(Reversed)オプションが追加。複製オブジェクトが徐々に消えていく様子を作成するのに便利です。(5c74ac2c2a)
ベイキング
微分マップ(Derivative Maps)
微分マップ(Derivative Maps)のベイクが追加されました。(r60631).
専用のベイク方法として利用可能で、通常の方法と、多重解像度(multires)からのベイキングの両方が実装されています。
デフォルトでは微分マップの自動正規化が行われ、そのチャンネル内のデータは0.0~1.0の範囲に拡張されます。ただし、ユーザスケールを適用することもできます(この微分マップを同じ影響度で利用する時、同じスケールを使用しないといけません)。
頂点カラー(Vertex Colors)
テクスチャへの頂点カラーのベイクに対応しました。(r60656)
アクティブ頂点ペイントレイヤから画像にベイクすることができ、頂点ベースの疑似AO(dirt)マップのようなエフェクトが可能です。
マスキング
マスクオーバレイ(Mask Overlay)
マスクオーバレイ(Mask Overlay)をUV/画像エディターとクリップエディターに追加しました。
マスクオーバレイは▼マスク表示(Mask Display)パネルから有効化でき、二つのオーバレイモードに対応しています。
- アルファチャンネル(Alpha Channel) ラスター化されたマスクをグレイスケール画像として表示します。
- 統合(Combined) 画像/クリップとマスクの合成。
マスクのオーバーラップ(Overlap)、フィルオプション
マスクが自分との交差をフィルし、オプションで穴の計算を無効化できるようになりました。
フィルをコントロールする二つの新しいレイヤーオプションがあります。
- 重なり合うカーブを穴として処理しないオプション 108ad3442960ef6
- 自分との交差を探知するオプション ae8327dbf3afcdb
ウェイトペインティング(Weight Painting)
- 「使用部分(Subset)」オプションを「すべてを正規化(Normalize All)」に追加。(r60655)
- ウェイトの量子化(Quantize)ツール:ウェイトごとにユーザ定義のステップ数(0から1の間)でスナップします。(c9209de573ad)
- 「すべての面(All Faces)」オプションを削除しました。現在は常に有効になっています。(fd0825e7c4da)
スカルプティング
- ボックスマスク(Box Mask)が追加(B)。Bを押した後、MMB でドラッグすると、選択部分からマスクが削除されます。(r60952)
- 投げ縄マスク(Lasso Mask)が追加(Ctrl⇧ ShiftLMB )。 (r61002)
- 各ストロークの後の重力(Gravity)をスカルプトオプションに追加。使用は単に強さ(Factor)値を上げるだけです。また、座標系(Orientation)フィールドにオブジェクトを設定することで、重力方向を変更できます。そのオブジェクトの-Z軸が重力の方向として働きます(c740f1a792fd479)
- グリースペンシルのショートカットと衝突していたショートカットを変更しました。
- Draw ブラシがXに変更されました。
メタボール
- 類似(Similar)選択:半径(Radius)、剛性(Stiffness)、回転(Rotation)。選択(Select)メニューまたは[Shift]+[G]キーからアクセスします。(r60921)
カーブ
- カーブのハンドル再計算(オプションでハンドルの長さも再計算)、[Ctrl]+[N]キー。(c456cd94b23af53)
- サーフェスに分離(Split)Y と、セグメントの削除オプションXが追加、カーブの物と同じ挙動をします。(4230b8f9c4cc0b7)
- カーブとサーフェス上のアクティブ制御点がよりメッシュの物と同じ挙動をするように。例:アクティブ制御点が全選択解除([A]キー)でリセットされます。(299812f28d32950)
- カーブとサーフェス上のアクティブ制御点がモード間で持続するように。(fbc7ab30ff025ad)
キーマップ (ショートカット)
- エクスポートされた keyconf が、もし後のバージョンで削除されたオペレータプロパティを使用していても、未来のバージョンで読み込み可能に。(r61073).
レンダー
- "Render Audio" クリーンアップ:
- audio-only オプションを FFmpeg レンダー設定から削除しました(バージョニングコードもいくつか追加しました)!
- ミックスダウン(Mixdown)ボタンをシーン(Scene)プロパティ→▼オーディオ(Audio)パネルからレンダー(Render)プロパティ→▼レンダー(Render)パネルに移動しました。
- Blender 内部レンダーの「星(Stars)」機能が削除されました。(30512d7c5586)
- Blender 内部レンダー:シェーダノード「HSV分離(Separate HSV)」と「HSV合成(Combine HSV)」が追加、Cycles の物と同じです。(98bf859efc18)
- Blender 内部レンダー:「ランプデータ(Lamp Data)」シェーダノードが追加。特定のランプからの光線ベクトルのような情報を取得することができます。(ab9822eff886)
- Blender 内部レンダー:テクスチャ範囲設定(Clamp)オプション。このオプションを無効にすると、負のテクスチャ値が 0 で制限されなくなり、ベクターディスプレイスメントなどでフルレンジを利用するのに便利です。(9f903208e800.)
- Blender 内部レンダー:シェーダ/レンダーノードツリー内の AO パスの挙動が変わり、AO を無効にすると(1.0, 1.0, 1.0)になります。(ba7fd8cd5c17)
剛体(Rigid Body)シミュレーション
- 剛体を作成・削除するショートカット、CtrlRとCtrl⇧ ShiftR、CtrlAltRが削除されました。私たちは偶然剛体が作成されてしまい、トランスフォームの挙動が違うことを不思議に思ったという、多数の報告をユーザから受けていました。(eda49cf58eed)
- 衝突の形状にメッシュソースを選択することで、変形とモディファイアーを考慮できるように。(2260a7d)
- メッシュ形状をシミュレーション中に変形できるように。(ceb2430)
- プリミティブの衝突形状がビューに表示されるように。(1fef906)
3Dビュー(3DView)
- GLSL プレビュー:スポット(Spot)ランプがレイ(Ray)シャドウ時もシャドウバッファを使用するように。(09ce3c18ee70)
- Matcap 描画モードがすべてのオブジェクトに適用されるように。(d34d7451a9ef52f)
シーケンスエディター(Sequence Editor)エフェクトレンダリング
シーケンスエディター(Sequence Editor)に特別に触れる価値のある、フラストレーションを回避できそうな変更が一つあります。
従来のリリースではシーケンスエディター内のエフェクトはその入力のブレンドを使用していました。これはいくつかの特定のケースでは便利ですが、透過画像のブレンド時には許容できないものでした。
古い挙動では入力のブレンドとミックスしたブレンド結果でしたが、この問題が報告されていました。T38598
現在、エフェクトはその入力とお互いにブレンドしないようになり、若干予想できる範囲の挙動になりましたが、古いシーケンスレンダリング挙動に依存する設定と互換性がなくなるかもしれません。