Dev:JA/Ref/Release Notes/3.50/Cycles
< Dev:JA | Ref/Release Notes | 3.50
元記事:Reference/Release Notes/3.5/Cycles - Blender Developer Wiki
Cycles
ライトサンプリング
Cycles がライトツリーを使用し、多数のライトのあるシーンのサンプリングをより効率的に行うようになりました。これによりサンプル毎に少しレンダリング時間が増える代わりに、大幅にノイズが減らすことができます。
- 新規シーンではライトツリーサンプリングはデフォルトで有効になっています。Sampling(サンプリング)→ Lights(ライト)パネル内から無効化可能です。
- ライトツリーが違うレンダリング結果を生成する場合、もっともありうる原因はライトの範囲制限(Clamping)です。範囲制限はサンプリングストラテジーに依存する、バイアスのかかった方法です。一般的にライトツリーがうまく動作すれば、範囲制限は少なくなり、レンダリング画像はバイアスのない結果に近くなります。
- ライトツリーはカスタム減衰やレイ可視性トリックのない、物理的に正しいライティングで最もうまく動作します。これらはライトツリー内で使用される経験則の邪魔になるかもしれません。
- 放射(Emission)のあるマテリアルに、従来の多重重点サンプリング切り替えを置き換える、新しい Emission Sampling(放射サンプリング)設定が付きました。Auto(自動)が新しいデフォルトで、そのメッシュを光源としてサンプリングすべきかどうかを、フューリティックなアルゴリズムを使用して放射する光の強さを推定して決めます。
片面のみの放射メッシュや閉じたメッシュでは、この設定を Front(前)面のみにしないとライトツリーによるノイズ削減ができません。
現在、このライトツリーは Windows、Linux、macOS での AMD GPU では利用できません。次のリリースには解決したいと思います。
Open Shading Language
OSL が既存の CPU レンダリングに加え、OptiX による GPU レンダリングでも利用可能になりました。
現時点では特に画像テクスチャ、AO、ベベルノードにいくつか制限があります。詳細は OSL ドキュメントをご覧ください。
Apple Metal
Apple デバイスでの GPU レンダリングのパフォーマンスが、追加の変更やチューニングなどなしで改善されました。
大きな変更点はカーネルのシェーダー特化です。これは透過的に動作します。汎用シェーダーでレンダリングをすばやく開始し、その裏で最適化シェーダーをコンパイル、用意ができれば使用します。この最適化はプリファレンスで設定できます。
変更
- 露出オーバーなシーンでの Adaptive Sampling(適応サンプリング)が改善、絶対的な光の強さを考慮することで、レンダリング時間を短縮しました。(857bb1b)
これには一部のコンポジティングやカラーマネージメントを使用してシーンを非常に暗く、または明るくしている場合に負の効果が起こる可能性もあります。
最適な結果を得るには、Film(フィルム)→ Exposure(露出)設定で強度がちょうどいい範囲になるよう調整し、その後、さらにその上にコンポジティングや色管理を行います。ちなみにこの設定は Color Management(カラーマネージメント)→ Exposure(露出)設定とは違いますので注意してください。
- Spot(スポット)ライトが非均一なオブジェクトスケールに対応しました。(b454416)
- Area(エリア)ライトにて Ellipse(楕円)と Spread(広がり)使用時のノイズが大幅に減りました。(53ef52f)
- Anisotropic(異方性)BSDF にて Beckmann(ベックマン)使用時、Roughness(粗さ)に等方性サンプリングが使用されるのを修正。(eb657633ed85)