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Blender 4.2 LTS: コンポジター

GPU アクセラレーション

最終レンダーのコンポジティングで GPU アクセラレーションが可能になりました。(727a90a0f1).

コンポジティングに使用するデバイスは Render settings → Performance → Compositor(レンダープロパティ→パフォーマンス→コンポジター)、または Compositor(コンポジター)エディターのサイドバーから設定できます。CPU と GPU コンポジターの評価が同じ結果になり、デバイス間での違いが最小であることが予想されます。

CPU の最適化

レンダーコンポジター CPU バックエンドも書き直されパフォーマンスが改善、従来に比べ、数倍も高速になることが頻繁にあります。

挙動には一部変更があります。これらは最終レンダーと3Dビューポートコンポジターで一貫した動作を行い、GPU で効率よく実行できるようにするために生じました。従来と同じ結果を得るには、恐らく手動による調整が必要でしょう。詳細は後述の互換性のなくなる変更をご覧ください。

追加

  • 各ノードの最後の実行時間を表示するオーバーレイが追加されました。デフォルトではこの実行時間の表示は無効になっており、オーバーレイポップオーバーから有効化できます。実行時間の統計はノードエディター内でのコンポジターの評価中に集められます。(467a132166)

  • Legacy Cryptomatte(旧Cryptomatte)ノードがビューポートコンポジターで対応されました。(2bd80f4b7a)

  • Glare(グレア)ノードに新しくBloom(ブルーム)モードが追加されました。これは Fog Glow(フォググロー)モードと似たような結果を生成しますが、こちらの計算は非常に速く、ハイライトの広がりも大きく、減衰もスムーズです。将来的には、フォググローモードももっと高速かつ物理的に正しくなるよう改善される予定です。(f4f22b64eb)

  • Blur(ぼかし)ノードの Fast Gaussian(高速ガウシアン)モードがビューポートコンポジターにも実装されました。(382131fef2)

  • Translate(移動)ノードに Interpolation(補間)オプションが付き、Nearest(ニアレスト)Bilinear(バイリニア)Bicubic(バイキュービック)の中から選択可能です。(483c854612)

  • Glare(グレア)ノードのFog Glow(フォググロー)モードがビューポートコンポジターに実装されましたが、とりあえずは遅い CPU ベースの実装です。(f0c379e1d3)

改善

  • グレアノードのフォググローモードが最大25倍高速化しました。(d4bf23771d)

  • ビューポートコンポジター内でのコンポジティング空間が、Passepartout(外枠)の値に関わらず、常にカメラビュー内のカメラ領域に制限されるようになりました。つまり、カメラ外の領域はコンポジティングされないということですが、結果は最終レンダーとうまくマッチします。

  • Hue Correct(色相補正)ノードが、色相カーブの評価による結果で更新された彩度や明度ではなく、元の入力の色相での彩度と明度で評価するようになりました。 (69920a0680)

  • Hue Correct(色相補正)ノードが、境界で反対側とつながるようになり、もう赤の色相で途切れる問題はなくなりました。(8812be59a4)

  • Blur(ぼかし)ノードが画像の境界が延長しているとみなすようになりました。すなわち、画像の境界外のピクセルが一番近い境界ピクセルと同じ色だと仮定するということです。従来はこのようなピクセルは無視され、それに応じてぼかしウェイトが調整されていました。(c409f2f7c6)

  • Vector Blur(ベクトルブラー)ノードが書き直され、EEVEE のモーションブラーとマッチするようになりました。Curved(カーブ)、Minimum(最小)、Maximum(最大)オプションが削除されていますが、あとで復活すると思われます。(b229d32086)

  • Blur(ぼかし)ノードの Fast Gaussian(高速ガウシアン)モードが、以前は他のぼかしモードと比べて大きいサイズだったのが、今はマッチするようになりました。(f595345f52)

  • Rotate(回転)Stabilize 2D(2D安定化)ノードの Bicubic(バイキュービック)補間モードが、バイキュービック B スプライン補間として実装されました。従来はバイリニアを使用していました。(f1d4859e2a)

  • Switch View(ビュー切り替え)ノードから Update Views(ビューの更新)ボタンが削除され、自動的に更新されるようになりました。(9484770551)

互換性のなくなる変更

主にキャンバスと単一値の処理に影響する変更:新しい実装はキャンバスの探知を含む、左から右へのノード評価に厳密に従っています。これにより、一部のケースで相対トランスフォームの挙動に違いができており、単一値入力(RGB 入力など)が画像として変換できなくなっています。

下記の各セクションでは、古いコンポジターのセットアップでの結果に影響すると思われる挙動の違いについて解説します。

トランスフォーム

トランスフォームはトランスフォーム系ノードで即時に適用されます。つまり、画像の縮小でその解像度が少なくなり、元に戻せなくなってしまうということです。旧コンポジターでは、トランスフォームは必要になるまで適用されませんでした。

下はそれを実演した例で、画像を縮小し、再度拡大しています。旧コンポジターでは拡大縮小は遅れて行われているため、何も情報を失っていません。一方、新しいコンポジターでは画像のドットが拡大してしまっています。

リピート

Translate(移動)ノード内の Wrapping(ラッピング)オプションが、もうパターンのリピートに使用できなくなりました。現在はもっぱら

一方をクリップ、もう一方をループする処理だけを行います。 It now solely operates as a clip on one side wrap on the other side manner.

下はその実演例です。画像のラッピングを有効にし、その後縮小しています。旧コンポジターではスケールノードの後で遅れてラッピングされ、画像がリピートしていました。一方、新コンポジターでは、ラッピングは移動(Translate)ノードでのみ影響し、何もしないため、結果、何の影響もなくなっています。

注意

この機能は将来的にもっとわかりやすい形で復活させる予定です。

サイズの推測

旧コンポジターは画像サイズを上流や出力ノードから推測していました。一方、新コンポジターは上流ノードからの画像サイズの推測なしで、ノードツリーを左から右に評価しています。この新しい挙動は予想しやすいのですが、従来可能だった一部のトリックがもはや無効になってしまいました。

下記はその実例です。旧コンポジターでは、移動(Translate)ノードはマンドリル画像のサイズとそのサイズと同じと予測しているため、ノードはマンドリル画像と同じサイズの、赤い色で塗りつぶされた完全な画像を受け取ります。そして下に移動した時に上部に黒い領域が残り、ぼかし(Blur し)た時にグラデーションができます。

新コンポジターでは、移動(Translate)ノードは入力を、移動できない単一の赤色の値として取り扱います。同様に、ぼかし(Blur)ノードも入力を単一の赤の値として処理するため、ぼかし処理なしでそのまま通過し、そして最後に、はミックス(Color Dodge)ノードが単一の赤色を受け取り、大半のノード同様、マンドリル画像全体とミックスします。

クリッピング

旧コンポジターでは推測サイズが実際のサイズより小さい場合に画像をクリップしますが、新コンポジターではサイズの推測を行わないため、画像はクリップされません。これは下のサンプルで確認できます。

サンプリング空間

上述の通り、旧コンポジターは画像を推測した空間でサンプリングし、推測サイズが実際の画像サイズより小さい時はクリッピングされる可能性があります。新コンポジターでは画像を自身の空間でサンプリングします。下のサンプルでは、スケールアップされた画像が[0, 1]の正規化空間をサンプリング座標として使用しサンプリングされています。 旧コンポジターでは推測サイズがクリッピングされるため、同様にクリッピングされた画像が生成されますが、新コンポジターでは完全な画像を生成しています。

削除

  • オプションタブの Performance(パフォーマンス)内の Two Pass(2パス) オプションが削除されました。(6db8091f45)
  • 同様に品質の Edit(編集)と Render(レンダー)オプションも削除されました。(9532ea3f8c, 149e547de6)