Dev:JA/Ref/Release Notes/3.20/Cycles

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Blender 3.2: Cycles

AMD GPU レンダリング

Linux での AMD GPU レンダリングが可能になりました。Windows 同様、Radeon RX 5000 と RX 6000 シリーズ、Radeon Pro W6000 シリーズを含む、RDNA と RDNA2 世代のグラフィックボードに対応しています。

現在、AMD Radeon repository の22.10 Linux ドライバが必要です。オープンソースドライバは画像テクスチャのあるシーンのレンダリングに問題があり、修正は Blender 3.2リリースまでのどこかの段階を予定しています。

Color Management(色管理)

  • レンダー出力とビューポート表示での別々の色管理設定に対応。アニメーションレンダリング、コンポジティングの File Output(ファイル出力)ノード、画像の保存がシーンの色管理設定でオーバーライドされるようになりました。
    OpenEXR のようなリニアファイルフォーマットで違うリニア色空間が選択でき、例えば ACES の OpenEXR ファイルなどがエクスポートできます。他のファイルフォーマットにも別の表示、ビュー変換とルックが提供され、例えばコンポジティングノードで複数の表示デバイス用の画像を出力することができます。(7aab508e)
  • OpenColorIO の色空間エイリアスに対応。後方互換のあるコンフィギュレーションの作成用。(5ac4e6c)
  • Linear ACEScg(リニア ACEScg)色空間がコンフィギュレーションに追加され、ACEScg 色空間の OpenEXR ファイルの取り扱いが容易になりました。(f991f5a)

Light Groups(ライトグループ)

複数の光源の一部の光のみを含むパスタイプ、ライトグループに対応しました。(ad35453)

これは例えば Compositor(コンポジター)で再レンダリングせずに光源の色や輝度を変更する時などに使用できます。
(訳注:各ライト、オブジェクト毎の指定は「オブジェクトプロパティ→シェーディング」から行い、レンダーレイヤーの「パス→ライトグループ」から設定を行った後、コンポジターを使用)

シーンの光源を分けるのにライトグループを使用する例

Shadow Caustics(シャドウコースティクス)

屈折するオブジェクトの影の中のコースティクスの選択的レンダリングに対応。(1fb0247)

Example uses are rendering of underwater caustics and eye caustics.

Manifold Next Event Estimation を使用した目のコースティクス

これはプロダクションレンダリング用に開発されたメソッド、"Manifold Next Event Estimation" を元にしています。考え方としては、ビジュアルインパクトの強い場所に、残りのシーンのレンダリングパフォーマンスインパクトなしで、シーン内の少数のオブジェクト上に選択的なシャドウコースティクスを行うというものです。

このメソッドには多くの制限があることに注意してください。

  • 屈折するオブジェクトの影の中のコースティクスでのみ動作します。つまり、反射によるコースティクスや、外部から落とす影のコースティクスではないということです。バウンスが4回までの屈折のコースティクスにのみ対応しています。
  • コースティクスを投影するオブジェクトは法線がスムーズでないといけません。バンプやノーマルマップは無視します。
  • Metal GPU レンダリングは未対応です。

将来的にこのメソッドはより汎用的なコースティクスに拡張されるかもしれません。


ボリュームモーションブラー

気体シミュレーションやインポートした VDB ボリュームのモーションブラーに対応しました(2890c11cd7b)。そのボリュームにはベクトルグリッドや、ベクトルフィールドの X、Y、Z 成分のスカラーグリッドの三つの組として定義された速度フィールドが必要です。ボリュームオブジェクトでは、速度グリッド名を設定するパラメーターが利用可能です。

速度グリッド名にマッチするベクトルグリッドがない場合、その名前の最後が x|y|z.x|.y|.z_x|_y|_z で終わっているグリッドがないか検索しようとします。例えば、ベースとなる名前が velocity での場合、3つのスカラーグリッドの名前が velocityxvelocityyvelocityzvelocity.xvelocity.yvelocity.z、または velocity_xvelocity_yvelocity_z のいずれかをレンダリング時に一つのベクトルグリッドに統合し、モーションブラーに使用します。

インポートしたボリュームでは、速度ベクトルの時間の単位を設定するオプションが利用可能です。ソフトウェアによっては速度を秒数(SECOND(秒))やシミュレーションフレーム時間(FRAME(フレーム))を基準にエクスポートしているかもしれません。もし時間の単位がわからない場合、モーションブラーが強すぎる場合は FRAME を使用する必要が、もし何の効果もなかったのであれば、SECOND を設定する必要があるでしょう。

変更

  • Adaptive Sampling(適応サンプリング)と Scrambling Distance(スクランブリングディスタンス)の同時使用に対応。(630d2b6)
  • シェーダーノード:Object Info(オブジェクト情報)ノードに Alpha(アルファ)出力を追加。(5b4ab89)
  • Rendered(レンダー)モードに切り替えた時、自動的にビューポートのポーズを解除するように。(ae217295578)
  • Alembic プロシージャルが最終レンダー有効に。(e81d7bfcc9f4)