Dev:JA/Ref/Release Notes/2.75/Cycles
目次
Blender 2.75: Cycles
Cycles には以下の改良があります:待望の AMD GPU によるレンダリングの(初期)対応、新しいライトポータル機能、ビルドインのアニメーションシード、多数のパフォーマンスとメモリ最適化など…。
AMD GPUへの対応
OpenCL Cycles カーネルが小さなパーツに分離され、パフォーマンスと安定性が向上しました。(7f4479da425b)
そのため、AMD GPU が Cycles でのレンダリングに使用可能になりました。必要なハードウェアと対応している機能については、GPU Rendering(英文)ドキュメントをチェックしてください。
現在、Windows 版と Linux 版のみ公式に対応しています。OSX ではまだ OpenCL コンパイラ側に問題があるため、Blender から対処することができません。
また、公式対応していないハードウェアでも、環境変数 CYCLES_OPENCL_SPLIT_KERNEL_TEST
を 1 に設定することで、分割カーネルの動作のテストが可能です。これによりすべての OpenCL デバイスが User Preferences(ユーザー設定)に表示され、分割カーネルが使用できるようにします。
Portals(ポータル)
Area(エリア)ランプがライトポータルとしての機能できるようになりました。環境光のサンプリングを助け、収束を改善します。ライトポータルはレイを屋内シーン内の環境光源の方向に導くのに役立ちます。例えば窓のような、シーン内の開いた所にレイを誘導するような感じです(訳注:ただしエリアランプは内側に向けます)。
Object Data(オブジェクトデータ)プロパティの▼Lamp(ランプ)内の Portal(ポータル)オプションを有効にしてください。注意:ポータルによるレンダリングは通常遅くなりますが、収束が速くなり、必要なサンプル数も少なくなります。ポータル毎に追加のレンダリング時間が加算されるため、使用時はできるだけ少なくしてください。(f478c2c)
メモリ最適化
シーンの準備・レンダリング
- オブジェクトの同期によるキャッシュの解放。(10e18a5)
- テッセレーション後のポリゴン解放により、ピークメモリ消費量を削減。(2ef2f08)
- レンダリング中にインターフェイスをロックしている時、未使用の画像を解放するように。(74df307)
- Derived Mesh をメッシュに変換時、データ所有者を渡すことにより、シーン同期のピークメモリ使用量を削減。(a1a7317)
- BVH構築後の画像の同期で、制作ファイル群でのピークメモリ使用量を削減。(cd44449)
- BVH ノードストレージを内部ノードとリーフノードに分割することで、BVH のリーフノードの無駄なメモリ使用を回避しました。(828abaf)
ベイキング
- 二つ以上のオブジェクトへのベイク時、メモリ消費量が大幅に削減されました。それに対応するよう、Baking-API も変更されています。(394c5318)
パフォーマンスの最適化
全般
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CPU
- SSSとカメラレイにおいて、起こりうるボリュームの交差をすべて記録するように。(b3def11f5b75)
- Haswell CPU でネイティブの float → half-float 変換命令を使用するように。(2ec221aa281d)
GPU
- GPU での CMJ(Correlated Multi-Jitter)がスピードアップ、Sobol(ソボル)パターンとほぼ同じに。(61eab74)
- GPU での Beckmann(ベックマン)スロープサンプリングの最適化。(b06962f)
- clamp(x, 0, 1)を単一命令に最適化。(ae7d84dbc193)
その他
- Panorama(パノラマ)カメラ:投影に Mirror ball(ミラーボール)が利用可能に。(60c5a2f2d21d)
- (乱数の)シードのアニメーションがビルトイン機能に。(7c06190882a1)