Dev:JA/Ref/Release Notes/2.77/Cycles
目次
Blender 2.77: Cycles
サブサーフェススキャッタリング
改良版サブサーフェススキャッタリングのアルゴリズム(Christensen-Burley)を追加しました。これは Cubic(三次式)や Gaussian(ガウシアン)フォールオフに比べ、大幅に細部を維持します。これが SSS シェーダーの新しいデフォルトフォールオフとなります。(ad26407)
GPU レンダリング (CUDA)
- 3Dテクスチャ(Smoke/Fire(煙/火炎)、Point Density(点密度))に対応しました。(1c4f21f)
- 上述の最適化の結果に伴い、実験的な CUDA カーネルが削除され、サブサーフェススキャッタリングと Correlated Multi-jittered(相関性マルチジッター)サンプリングを標準機能にしました。3ba9742
- GK210 GPU(NVidia Tesla K80)に対応。(ff0dcc5)
現在の制限についての情報は、機能(英語)比較ページをチェックしてみてください。
モーションブラー
- モーションブラーの位置(シャッターが完全に開く参照フレーム)をカスタマイズ可能に。(5d3e078)
- シャッターの開閉度を決めるカーブを追加。(b909dfd)
- Rolling Shutter(ローリングシャッター)エフェクトを実装。(rBade35bac9355)
シェーダーグラフ最適化
- 非常に小さな Roughness(粗さ)では Sharp クロージャを代わりに使用するように。(0639ba8)
- ノードの定数畳みこみの改善。これは Math(数式)、VectorMath(ベクトル演算)、Blackbody(黒体)、Gamma(ガンマ)ノードで実装されています。(e796581、377b52b)
- 同一ノードのマージ。(rB738f6d8127a1)
- 巨大なシェーダーグラフのコンパイルの高速化。0b4abd0
ベイキング
ベイキングプロセスにて Combined(統合)パスで、どのパスを最終ベイクに寄与させるかをカスタマイズできるようになりました。
また、ライトパスの Diffuse(ディフューズ)、Glossy(光沢)、Transmission(透過)、Subsurface(サブサーフェス)をもっと自由にコントロールできるようになりました。Direct(直接)や Indirect(間接)光の寄与を単独でベイクしたり、もしくはこれらをサーフェスカラーと組み合わせるか、それとも寄与のウェイトにするかを決めることもできます。9a76354585
ノード
- Environment(環境)テクスチャノードにテクスチャの補間方法を選択するオプションが付きました。(e3abcd6)
- Hair(ヘアー)BSDF ノードにタンジェント入力が追加。(3f4c061)
- Wave texture(波テクスチャ)に Saw(鋸波)プロファイルが追加。(5c682a9)
その他
- OpenGL テクスチャの限界を押し上げました。(8a1afc2)
- Make local view behaviour matching BI in respect to light. (8800547)
- Blackman-Harris ピクセルフィルターを追加。(8dea065)
- Hilbert Spiral(ヒルベルト曲線)タイルパターンを追加。(6995b4d)
- BVH のキャッシュ機能を削除。(3e59691df5d5)
- OSL を1.7.1に更新。レンダリングが若干高速になり、最新の OSL 言語の機能に対応しました。
設定
いくつかの設定のデフォルト値が変更され、パフォーマンス・ノイズが改善し、ユーザーによる調整の必要が減りました。 古いファイルの後方互換性は確保されています。
以下は変更された設定と対応する新しい値です。
Render(レンダー)
Samples(サンプル): 128、Preview Samples(プレビューサンプル): 32、Filter(フィルター): Blackmann-Harris、Tile Order(タイルの順序): Hilbert Spiral(ヒルベルト曲線)
Materials(マテリアル)
Volume Sampling(ボリュームサンプリング): Multiple Importance(多重重点)
Lamps(ランプ)
Multiple Importance(多重重点): On
World(ワールド)
Multiple Importance(多重重点): On、Map Resolution(マップ解像度): 1024、Samples(サンプル): 1
修正
- SSS オブジェクトがボリュームオブジェクトと交差した時のレンダリング結果が間違っていたのを修正しました。(de35827)
前方互換性
Vector curve(ベクターカーブ)がダイナミックレンジの入出力に対応しました。(c81e6ff)
残念ながら、カーブが評価される前に[-1..1]の範囲を[0..1]に入力をリマッピングする、このノードの旧挙動では実現は不可能であったため、ダイナミックレンジを入力ためにこのマッピングを撤去する必要がありました。よって旧バージョンの Blender で保存したファイルはバージョニングコードによって正しくレンダリングされますが、旧バージョンの Blender で(2.77で保存した)ファイルを開いた場合、正しい結果にはならないでしょう。
ベクターカーブを使用するスクリプトはこの変更に合わせる必要があることに注意してください。