Dev:JA/Ref/Release Notes/2.83/Virtual Reality
元記事:Reference/Release Notes/2.83/Virtual Reality - Blender Developer Wiki
目次
Blender 2.83: ヴァーチャルリアリティ
最初のネイティブなヴァーチャルリアリティ(VR)対応が利用可能になりました。機能セットはシーン探索のための特定の用途に特化しており、意図的に制限されています。開発チームはこれを最初のマイルストーンかつ、より豊富な VR 機能対応の礎となると考えています。(a22573e24、3b1ef223b、dc2df8307、406bfd430、rBA636b4ca23)
シーンの探索(Scene Inspecton)
Scene inspection(シーンの探索)は、コンテンツとの相互作用のない、VR 内のシーンを探索するための機能を呼び出します。つまり、これは基本的にヘッドマウントディスプレイ(HMD)の対応と、体験をコントロールするための(VR ビュー外でコントロールできるようにする)いくつかのシンプルな設定を指します。
対応する用途例:
- ディレクターまたはクライアントにシーンの探索方法として VR を使用し、アーティストにフィードバックする。
- VR ゲームの作業中のアーティストのためのプリビズ。
- Samsung GearVR/Google Cardboard 用動画の作成やアプリの作成。
対応プラットフォーム
VR のバックエンドには、VR、AR、MR の新しいスタンダードである、OpenXR を使用しています。まだ新しいため、完成されたプラットフォームはありませんが、Windows Mixed Reality や Oculus でうまく動作する開発プレビューはあります。
Blender で VR を使用するのには、簡単なステップが少しだけ必要です。マニュアルin the manual.
残念ながら現時点では、HTC Vive、Valve Index、その他 SteamVRのみのデバイスは OpenXR に未対応です。
Linux OpenXR ランタイムも開発中です(Monado)。ただしソースからのコンパイルと、他にも設定が必要です。Linux でのコンパイル経験が少ない方にはお勧めできません。
VR Scene Inspection アドオン
VR 機能用のユーザーインターフェイスはアドオンを通じて管理されており、デフォルトでは無効になっています。他のアドオン同様、Preferences(プリファレンス)で有効化できます。有効化すると、新しいオプションが3Dビューポートのサイドバーに現れます。
主な機能:
- VR ビューポート
HMD へのビューポートのレンダリングと、位置と回転の情報をデバイスからヴァーチャルシーン内の移動に使用に対応。
- VR ミラー
通常の各3DビューポートをVRミラーとして動作させることができ、VR ビューアーの視点に追従させることができます。
- Landmark(ランドマーク)
任意の数のカメラをビューアーのベースポーズとして格納するシステムです。アクティブランドマークカメラの位置と回転が、ビューアーのベース位置と回転の決定に使用されます。リスト内のカメラアイコンは、現在、どのランドマークがその VR セッションのビューアーのベースポーズに使用されているかを決めます。
- VR カメラギズモ
通常の各3Dビューポートの VR 設定には Show VR Camera(VRカメラを表示) オプションがあります。カメラオブジェクトのような形状を表示し、ヴァーチャル空間内の現在のビューアーの位置と回転を示します。
- Positional Tracking(ポジショナルトラッキング) トグル
有効時、VR セッション実行中に現在の位置(VR の目の中心の姿勢を元に計算)を維持します。
- デバッグツール
新しい--debug-xr
と--debug-xr-time
コマンドラインオプション。
- Python-API
VR 設定の管理とセッションの状態の情報を問い合わせる BPY を追加(bpy.types.XrSessionSettings
、bpy.types.XrSessionState
)。
- 便利なエラー報告
何も HMD が繋がっていない時や、OpenXR 互換のランタイムが見つからない時などの場合、エラーが報告されます。エラー処理は信頼性があり、なおかつユーザーに役立つメッセージを提供できるよう、慎重に設計されています。