Dev:JA/Ref/Release Notes/3.40/Cycles
Cycles
Path Guiding(パスガイディング)
Intel の Open Path Guiding Library を使用し、パスガイディングが Cycles に統合されました。(75a6d3abf75f)
この機能は長い間接光の反射や、間接光が照らす影の領域、反射する光源などの複雑なライティングシナリオでのノイズを軽減し、各パスのサンプリング品質を向上します。
注意:パスガイディングはシンプルなコースティクス(水面など)を含むシーンのレンダリングを助けますが、MNEE のようなコースティクスソルバーとして設計されていないため、複雑なコースティクスのあるシーンでは役に立ちません。
レンダリング中、パスガイディングはシーンの光の分布(直接と間接)の概算を学びます。この情報は、局地的なマテリアルや直接的な可視光源のみ考慮する標準の指向性サンプリング方法ではうまく見つけられない、重要な方向へパスを誘導するのに使用されます。
動作や Cycles への統合方法など、パスガイディングについての詳細は BCon 2022でのプレゼンテーションの Follow the light: introducing path guiding in Cycles をご覧ください。
現時点では、パスガイディングは CPU レンダリングのみ利用可能で、Render(レンダー)プロパティの「Sampling(サンプリング)→ Path Guiding(パスガイディング)」から有効化できます。現在の実装ではディフューズ BSDF コンポーネントと内部ボリュームに対応しています。
次の画像は、複雑なライティングシナリオのある別々のシーンでの、実際のパスガイディングの効果を示した物です。比較は同じ時間でのレンダリング画像で行っています。
改善
- Attribute(属性)ノード:ジオメトリノードのインスタンスの属性の使用に対応。さらに、オブジェクトから boolean(ブール値)と integer(整数値)配列属性の読み込みが可能に。(2f7234d3e1b、554afabf7580)
- Attribute(属性)ノード:新しい View Layer(ビューレイヤー)モード。現在のビューレイヤーやシーン、ワールドの属性にアクセスできます。(f61ff22967c5f)
- ベイキング:サーフェス上ではなく、アクティブカメラビューからスペキュラーエフェクトをベイクする新オプション。これは定点またはカメラモーションが限定的な時のビューでテクスチャをベイクするのに便利です。(b475506)
GPU レンダリング
- AMD HIP
- AMD Radeon RX 7000 シリーズのグラフィックカード(RDNA3 アーキテクチャ)に対応しました。
- Linux では、Vega と RDNA1 グラフィックカードでのテクスチャの問題を修正するため、ROCm 5.3以降にアップグレードしてください。
- Apple Metal
- シャドウコースティクスが利用可能に。
- Intel GPU 対応を macOS 13から開始しました。
- Intel OneAPI
- ユーザーインターフェイスのクラッシュを修正するため、ドライバーバージョン101.3430以降にアップグレードしてください。
Open Shading Language
Open Shading Language がバージョン1.12.6にアップグレードされました。
これには Non Constant Initializer(非定数イニシャライザ)の入力パラメータの挙動の変更があります。
この手のパラメータは、ノード上の入力ソケットに編集不可な値として表示され、リンクのみ可能です。また、メタデータを通じてのみ指定できます。
shader test(
normal Normal = N, /* Value hidden due to initializer. */
float A = 0.0 [[ string widget = "null" ]]) /* Value hidden through metadata. */