Doc:JA/2.6/Manual/Data System/Files/Formats/OpenEXR
OpenEXR
ILM の OpenEXR は、特にその柔軟性と拡張性を持つ構造により、ソフトウェア業界での HDR 画像ファイルの標準になりました。
OpenEXR ファイルは浮動小数点空間内の値を、正負どちらの数値も格納できます。
RGBA と任意に保存された Z 値を使ったすべての OpenEXR ファイル形式の読み込みとは別に、Blender はふたつの方法で OpenEXR をサポートします:
Render Output
(レンダリング結果の出力)
以下は OpenEXR のレンダリング結果の出力で利用可能なオプションです(プロパティエディタの Render タブ、Output パネルにあります):
- Half(Float(Half))
- 画像をカスタムの 16ビット/チャネルの浮動小数点形式で保存します。実際の 「ビット深度」を5ビットの指数値と1ビットの符号を使った 10ビットに抑えます。
- Zbuf(Zバッファー)
- 奥行きの情報を保存します。カメラからの正確な距離を表します。Blender ではこれも今は "Blender unit" 単位の float で書き込まれます。
- Preview(プレビュー)
- アニメーション(またはコマンドラインを通じた単一フレーム)のレンダリングで、クイックプレビューやダウンロード用に同じ画像を JPEG でも保存します。
- Codec (コーデック)
- 圧縮形式を選びます。
- PIZ - 可逆ウェーブレット圧縮。ざらついた画像をうまく圧縮します
- ZIP - zlib を使った、標準的な可逆圧縮
- RLE - ランレングス式符号化、可逆。走査線が同じ値を持つときうまく働きます
- PXR24 - Pixar 製非可逆アルゴリズム。32 bits floats を 24 bits floats に変換
Multi-layer, Multi-pass, tile-based files
(マルチレイヤー、マルチパス、タイルベースのファイル)
OpenEXR ファイルはレイヤーとパスを無制限に階層構造で格納し、保持できます。この機能は現在は "Save Buffers" レンダリングオプション用に使われています。このオプションはレンダリング前に最終的なレンダリング結果全体(多くのレイヤーやパスを持ち得ます)のためにファイルを確保せず、中間物であるタイルそれぞれを1枚の OpenEXR ファイルとして Blender の デフォルトの 'temp' ディレクトリに保存します。
レンダリングが完了すれば、レンダリングのデータをすべて解放したあとで、全体をメモリに読み直します。