Doc:JA/2.6/Manual/Render/Command Line
はじめに
レンダリング速度を上げたい状況では、blender にリモートにアクセスしてレンダリングするか、blender をコマンドラインで使うスクリプトを作りましょう。
コマンドラインを使う利点は、X server が不要であるため(Linux の場合)、SSH や telnet でリモートからレンダリングできることです。
引数に関する注意点
空白で区切る必要があります。
blender -ba test.blend # 'a'が無視されます blender -b test.blend -f8 # '8'はフレーム数として扱われず無視されます
渡した順に実行されます。必ず -f か -a を最後に渡してください。
blender -b test.blend -f 1 -o /tmp # 出力パスを決める前にレンダリングされ、出力されません blender -b -o /tmp test.blend -f 1 # blendファイルのロード時に出力先が上書きされ、/tmpに保存されません blender -b test.blend -o /tmp -f 1 # うまく動作します
構文
blender [-b <dir><file> [-o <dir><file>][-F <format>] [-x [0|1]][-t <threads>][-S <name>][-f <frame>] [-s <frame> -e <frame> -a]] [[-P <scriptname> [-- <parameter>]]
レンダリングオプション:
-b または --background <file> <file> をバックグラウンドで読み込み(UI非表示のレンダリングによく使われます)
-a または --render-anim 開始フレームから終了フレームまでをレンダリング(両フレームを含む)
-S または --scene <name> アクティブシーン <name> をレンダリング用に設定
-f または --render-frame <frame> <frame> をレンダリングして保存 +<frame> 開始フレームの相対指定、-<frame> 終了フレームの相対指定
-s または --frame-start <frame> 開始フレームを <frame> に設定(-a より前で使ってください)
-e または --frame-end <frame> 終了フレームを <frame> に設定(-a より前で使ってください)
-j または --frame-jump <number> フレームのレンダリングごとに進めるフレーム数を設定
-o または --render-output <path> レンダリングの出力パスとファイル名をセットします 出力パスに blend ファイルからの相対指定をするときは // を 使います。 ファイル名に # を使うと frame 番号で置き換わります。番号はゼロ埋めされます。 例:ani_##_test.png → ani_01_test.png 例:test-######.png → test-000001.png ファイル名に # を使わない場合、自動的に #### が末尾に追加されます。 例:blender -b foobar.blend -o //render_# -F PNG -x 1 -a → //render_ は //render_#### になり、フレームが //render_0001.pngとして書き出されます
-E または --engine <engine> レンダリングエンジンを指定します。利用可能なエンジンの一覧は -E help で見られます。
-t または --threads <threads> レンダリングに使うスレッドの量を指定します [1-64] 0を指定するとシステムのプロセッサーの数が使われます
ファイル形式のオプション:
-F <format> 出力形式をセットします。有効な選択肢は.. TGA IRIS JPEG MOVIE IRIZ RAWTGA AVIRAW AVIJPEG PNG BMP FRAMESERVER (コンパイルして blender に含められる形式で、システムによっては使えないもの) HDR TIFF EXR MULTILAYER MPEG AVICODEC QUICKTIME CINEON DPX DDS
-x または --use-extension [0|1] ファイル名のうしろに拡張子を付加するオプションです。 0 は付加せず 1 は付加します。
アニメーション再生のオプション:
(play button を押した時使われます。blender は動画プレイヤーのように動作します)
-a <options> <file(s)> <file(s)> を再生します。-b が使われていなければこの方法で実行します。 -p <sx><sy> 左下の隅を <sx>,<sy> に合わせて開きます -m ディスクから読みます(バッファを使いません) -f <fps> <fps-base> 開始時の FPS -j <frame> フレームステップ -s <frame> 開始フレーム -e <frame> 終了フレーム
ウィンドウのオプション:
-w または --window-border ボーダーつきで開きます(デフォルト) -W または --window-borderless ボーダーなしで開きます -p または --window-geometry <sx> <sy> <w> <h> 左下隅を <sx>, <sy> に合わせ、幅を <w>、高さを <h> にして開きます -con または --start-console コンソールウィンドウの開いた状態で開始します(-b がセットされていると無視されます)(Windowsのみ) --no-native-pixels 高解像度ディスプレイ(MacBook 'Retina')で、native のピクセルサイズを使いません
Game Engine 専用のオプション:
-g fixedtime frame落ちさせずに 50 hertz で実行します -g vertexarrays レンダリングに Vertex Arrays を使います(通常は高速) -g nomipmap Texture Mipmapping を使いません -g linearmipmap Nearest ではなく Linear Texture Mipmappingを使います(デフォルト)
Python のオプション:
-y または --enable-autoexec Python スクリプトの自動起動を有効にします -Y または --disable-autoexec Python スクリプトの自動起動を無効にします(pydriver と スタートアップスクリプト)(デフォルトでは非標準としてコンパイルされます)
-P または --python <filename> 指定した Python スクリプトファイルを実行します
--python-text <name> 指定した Python script text block を実行します --python-console インタラクティブなコンソールを使って Blender を実行します --addons カンマ区切り(空白なし)のアドオンの一覧
デバッグのオプション:
-d または --debug デバッグをオンにします * すべての operator call と引数を表示 * マウスのグラブ操作(デバッガーとのやりとり)を無効化 * sys.stdin の設定を None にせず、維持します
--debug-value <value> 開始時にデバッグ値 <value> を設定 --debug-events event system についてのデバッグメッセージを有効化 --debug-handlers event handling についてのデバッグメッセージを有効化 --debug-jobs バックグラウンドジョブの time profiling を有効化 --debug-python python についてのデバッグメッセージを有効化 --debug-wm window manager についてのデバッグメッセージを有効化 --debug-all すべてのデバッグメッセージを有効化(libmvを除く) --debug-fpe 浮動小数の例外を有効化 --disable-crash-handler crash handler を無効化
その他のオプション:
--factory-startup ホームディレクトリの "startup.blend" を読み込みません
--env-system-datafiles BLENDER_SYSTEM_DATAFILES 環境変数をセット --env-system-scripts BLENDER_SYSTEM_SCRIPTS 環境変数をセット --env-system-python BLENDER_SYSTEM_PYTHON 環境変数をセット
-nojoystick ジョイスティックのサポートを無効化 -noglsl GLSL shading を無効化 -noaudio サウンドシステムを None にします -setaudio サウンドシステムを指定のデバイスにします NULL SDL OPENAL JACK -h or --help このヘルプメッセージを表示して終了します -v or --version Blender のバージョンを表示して終了します
-- 後続の引数を変更せずに渡して、オプションの実行を終了します。python の sys.argv からアクセスしてください
その他のオプション:
/? このヘルプメッセージを表示して終了(Windowsのみ)
--verbose <verbose> ログ記録の詳細度を設定
-R .blend 拡張子を登録して終了(Windowsのみ) -r .blend 拡張子を登録して終了。メッセージを表示しません(Windowsのみ)
実行例
静止画のレンダリング
# blender -b file.blend -o //file -F JPEG -x 1 -f 1
- -b
-
- インターフェイスなしで blender を起動
- file.blend
-
- レンダリングする .blend ファイル
- -o //file
-
- ディレクトリと保存する画像ファイルの名前
- -F JPEG
-
- JPEG 形式
- -x 1
-
- ファイル名に拡張子 .jpg を付加
- -f 1
-
- フレーム1をレンダリング
動画のレンダリング
# blender -b file.blend -x 1 -o //file -F MOVIE -s 003 -e 005 -a
- -b
-
- インターフェイスなしで blender を起動
- file.blend
-
- レンダリングする .blend ファイル
- -x
-
- ファイル名に拡張子 .avi を付加
- -o //file
-
- ディレクトリと保存するファイルの名前
- -F MOVIE
-
- 低圧縮で .AVI 動画を保存
- -s 003 -e 005 -a
-
- 開始フレームを 003 終了フレームを 005 にセット。重要: -s と -e は順番が逆だと動作しません!
指定エンジンで Blender を起動する
-E エンジン名 または --engine エンジン名 を使います。
# blender --engine CYCLES
利用可能なエンジンは次のコマンドで一覧表示されます
# blender --engine help または blender -E help
出力の例
found bundled python: /home/satishg/bin/blender-2.65a-linux-glibc27-x86_64/2.65/python Blender Engine Listing: BLENDER_RENDER BLENDER_GAME CYCLES [1] Done ~/bin/blender-2.65a-linux-glibc27-x86_64/blender --engine help
プラットフォーム
実際に Blender をコマンドラインから起動する方法は、プラットフォームや Blender のインストールされた場所によって変わります。以下はさまざまなプラットフォームでの、基本的な使い方です。
Windows
コマンドプロンプトを開いて、Blender がインストールされたディレクトリに移動してから、blender コマンドを実行します。
# cd c:\<blender installation directory> # blender
Mac OS X
ターミナルアプリケーションを開いて、Blender がインストールされたディレクトリに移動してから、アプリケーションバンドル内にある実行形式ファイルを実行します。次のようなコマンドを使います:
# cd /Applications/Blender # ./blender.app/Contents/MacOS/blender
この操作をよく使うなら、単に「blender」と入力するだけでいいようにエイリアスを作ることができます。そのためにはターミナルで次のようなコマンドを(適切なパスを使って)実行します。
# echo "alias blender=/Applications/Blender/blender.app/Contents/MacOS/blender" >> ~/.profile
これで、新しいターミナルを開けば、次のコマンドが動作します:
# blender
Linux
ターミナルを開いて、Blender がインストールされたディレクトリに移動し、blender コマンドを実行します。
# cd <blender installation directory> # ./blender
PATH 内に Blender をインストールしていれば(linux distribution package を通じてインストールすると通常はそうなります)、簡単になります:
# blender