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=== アクションのリンク解除の安全機能 === | === アクションのリンク解除の安全機能 === |
2018年11月19日 (月) 20:01時点における最新版
目次
Blender 2.75: アニメーション
アニメーションには以下の改良があります: 将来、多数の素晴らしい機能を開発するために必要な土台である、新 Dependency Graph(依存グラフ)(デフォルトでは無効)、ワークフロー拡張の計画を狙いとした新機能とアップデート、Action Editor(アクションエディター)にアクションのリンク解除や、望まない/不意のデータロスを回避するための新機能、NLA Editor(NLAエディター)のストリップが正しく自身の Influence(影響)と Time(時間)カーブを更新するように、新しいリギングツール、Grease Pencil(グリースペンシル)の一連の改良など…。
アクション管理
2.74にて導入された初期暫定措置のフォローとして、このリリースではワークフロー拡張計画を具体化する機能の追加と改善が行われています(計画の詳細については、 the planning docs(英文) を見てください)。
次・前のアクションレイヤへの切り替え
この機能 (bcf1abb) により、NLA エディタに行って[Tab]キーと選択を繰り返さなくても、NLA スタック内のお互いの別のスタック・Stash(保留)されたアクションにすばやく切り替えることができるようになり、少ないクリック数で済むようになりました。特にゲームアニメーションやアクションライブラリのワークフローを念頭に設計していますが、多層アニメーションのワークフローにも役立つでしょう。
使用方法:
単に[▲][▼]ボタン(モードセレクタとデータブロックセレクタの間)をクリックすれば NLA トラック内の、Action Editor(アクションエディター)中で調整中のアクションのある NLA ストリップの、上下のアクションに移動します。
注意:
- これらは NLA ストリップで使用中のアクションを編集していない時でも動作します。もし普通に新しいアクションのアニメーションを行っているのなら、作業中の新しいアクションを失うことなく、「下矢印」を使用して一時的にそのアクションを Jump Down(ストリップ化)して他のアクションをチェックした後、再び「上矢印」を使用して戻ることができます。
- 複数のアクション/ストリップが同じレイヤー/トラックにある場合は、現在のフレームに一番近い物だけが使用されます。
- Next Layer(次のレイヤー)/Previous Layer(前のレイヤー)オペレーターは、アクションの単独での表示・編集設定(つまりソロ(★)と NLA のミュート)を考慮します。これは簡単に別の保留アクションをプレビューできるようにするためです。
- もしソロの NLA トラックからアクティブなアクションに移動した場合、NLA スタックはミュートされ、そのアクションが単独で編集可能になります。
- 同様にアクション編集中、その NLA スタックがミュートされた場合は、下の NLA トラックがソロになり、編集中となります。
- NLA トラックを切り替えた場合、以前のトラックのソロ状態は新しいトラックに移動します。
アクションセレクタ使用時の(アクションエディター)の安全性の修正
Action Editor(アクションエディター)のアクションセレクタメニューにいくつかバグがあり、「悪いこと(EVIL THINGS™)」が起こっており、これらの問題を修正しました。
- NLA の Tweak Mode(調整モード)時、アクションセレクタが NLA の状態を上書きしていました。現在は新しいアクティブアクションを割り当てようとする前に、まず先に調整モードを抜けます。(e4fbc8f)
- 新規作成されたアクションから変更した時、このアクションが失われないよう、NLA 内に Stash(保留)されるようになりました。この場合、何のデータも失われませんが、アクション間のプレビュー/切替は、NLA の使用(プレビューしたいアクションで Tweak Mode(調整モード)に入る)、または代わりに(Action Editor(アクションエディター)ヘッダーの)上下ボタン を使用して行うことをお勧めします。(a0e1b65)
アクションのリンク解除の安全機能
汎用のデータブロックのリンク解除の代わりに、アニメーションデータ・アニメーションエディター専用のアクションのリンク解除([×]ボタン)オペレーターを追加 (53f4aa7)。これにより、アクションのリンク解除時、追加で安全性チェックを行い、保護することが可能になりました。
以下はその保護・便利機能です。
- アクションにユーザーがない場合、データが失われるという警告が現れ、救済する方法を提示します。Stash(保留)したり、何らかの方法でアクションを残すようなことはしません。
- Tweak Mode(調整モード)時、アクティブアクションのリンク解除は不可能でした。現在、リンク解除ボタンはこのような場合、Tweak Mode(調整モード)を抜けるための便利な方法として働きます。
Tweak Mode(調整モード)の出入りやエディター変更などのホットキー
- 通常、NLA エディター内での ⇧ Shift⇆ Tab は Tweak Mode(調整モード)を出入りしますが、(アクションストリップのある NLA トラックに「ソロ」のフラグを立てることで)アクションを確実に単独で編集できるようにもします。これは他の NLA スタックの干渉を受けずに、Stash(保留)アクションを編集するのに便利です。(097801e 097801e)
- (調整モードの切り替えとは、別にエディター間を切り替える他のホットキーも計画していましたが、時間がなかったため、このリリースには含まれていません)
NLA
NLA ストリップ - Time(時間)と Influence(影響)コントロール用ローカルキーフレーム
積年の NLA ストリップの Time(時間)と Influence(影響)プロパティをアニメーションする方法のバグ(T36385)が修正されました。(2b4ff14 - 7a1e729)
現在、これらの設定のキーフレームは、従来のように NLA スタック内のアクションの一部に F カーブとして含まれるのではなく、NLA ストリップ自身に格納される Fカーブに追加されるようになりました。
旧設定はラグによる問題があったためうまく動作しておらず、また、レンダーファームでの使用にも適していませんでした。これは NLA スタックが評価される時間の所為で(そのため、これらのプロパティの Fカーブはスタック内のアクションの一つに入っていました)、NLA ストリップの Time(時間)/Influence(影響)値を解析する方法を変えるにはあまりにも遅すぎたのです。
これらは Dope Sheet(ドープシート)/ Graph Editor(グラフエディター)の、各データブロックの先頭の NLA Strip Control(NLA ストリップコントロール) の下にあります。グループチャンネル同様の見た目で、そのチャンネルのすべてのグループ/Fカーブの前に表示されます。
後方互換性について
他の多数の変更とは違い、これは古いバージョンの Blender とのファイルの往復は何のデータもロスせず、安全に行えるはずです(ストリップ毎のコントロールカーブはすでにデータレベル対応済であるため)。
実際には、古いバージョンの Blender には動作を阻害するバグがあるため、これらのコントロールカーブには何もできませんが、手を加えずにカーブを保存することはできるでしょう。 旧バージョンで作成されたファイル同様、現存のアニメーションも動作します(ラグの問題は依然存在しますが)。しかし、該当する NLA ストリッププロパティ上に、Iを使用して Fカーブに新しいキーフレームを追加することはもうできません。これを行うには代わりにコントロールカーブ内にキーフレームを作成(yamyam注:"Animated Influence"(影響のアニメーション)オプションを有効にし、カーブエディターで[Ctrl]+左クリックなどでキー追加)し、旧アニメーションの動作を止めるしかありません。 |
NLA Editor(NLA エディター)
- アニメーションチャンネルの、名前を元にしたフィルタリングが付きました。これを有効にするには、ヘッダーの虫眼鏡アイコンをONにし、横のボックスに文字を入力します。これは大文字小文字を区別し、正規表現やワイルドカードには対応していません。マッチはトラックとストリップの名前をチェックしています。(1e48880)
アニメーションエディター
- Proportional editing(プロポーショナル編集)が Graph(グラフ)と Dopesheet(ドープシート)に追加されました。Oで切替できます。
- Clean Keyframes(キーフレーム)がXキーのメニュー内に移動、選択中のキーフレームにのみ作用するように。
- Auto Normalization(自動正規化)機能が、エディターの全範囲を使用するようにしました。
- View Frame(フレームを表示)オペレーター(0 NumPad)が、 Action(アクション)と Graph Editor(グラフエディター)に追加。
- アニメーションチャンネルの名前ベースのフィルタリングが入力に応じてリアルタイムに更新されるように(要はライブサーチ)。(34d4ad3)
- チャンネル上でのダブルクリックで、そのチャンネルのキーフレームを選択できるように。(3174cbe)
リギング
- アーマチュアの Symmetrize(対称化)ツールが追加、必要な部分のボーンを作成し、アーマチュアを対称にします。(156921114)
- アーマチュアやポーズの選択の階層がもっと正確になり、常につながっているボーンに追随するように。(881e05fc5)
- "Fill Bones"(ボーンをフィル)ツールで作成されるボーンが、3Dカーソルではなくアクティブボーンの方を向くように。(c0be69f)
ポーズ
- "Propagate Pose"(ポーズを伝播させる)ツールにいくつか調整が入りました(Blender に2011年に入って以来!))
- Push(押す)、Relax(リラックス)、Breakdowner(中割作成)ツールで数値入力が可能に。(dad2850)
Dependency Graph(依存グラフ)
新しい Dependency Graph(依存グラフ)を手に入れました!(bac735380189c63) このコミットでは、新しい依存グラフシステムに行われた、現時点での作業を統合します。旧依存グラフを新しい物で置き換え、下記のような多数の素敵な機能に対応することを目的としています。
- 細かい依存関係の種類により、偽の依存の循環による問題を解決。
- このシステムへのドライバーの統合の改善により、すべてがアニメーション可能な方向に前進。
- 今後のコピーオンライト、オーバーライドなどのための、いくつかの土台の構築。
新システムは従来のシステムと共存しており、デフォルトでは無効になっています。そのため、いきなり何かが壊れるようなことはありません。
新しい依存グラフの使用 | |
新しい依存グラフを有効にすすには、コマンドラインの引数に を渡します。 |
まだこのシステムを制作に使用可能な状態とみなすには若干早く、いくつか TODOがあり、マージ期間中にいくつか問題も見つかっています(これらは早急に解決される予定です)。しかし、これがアーティストたちに実際にこのシステムをテストしてもらう唯一の方法であったため、マージすることが重要だったのです。
以下は新システムの設計に関連したさまざまなドキュメントです。
また、ユーザー関連の情報もオンラインにいくつかあります。
Grease Pencil(グリースペンシル)
- すばやくレイヤーの表示・非表示を切り替えるホットキーを追加。(2cac2e7)
- H アクティブレイヤーの非表示
- ⇧ ShiftH アクティブレイヤーのみ表示
- AltH 全レイヤーの表示
- Stroke Edit Mode(ストローク編集モード)有効時、小さくてシンプルな警告/インジケータがエディターの右上に表示されるように(f5adbcc)。これにより、今入っているモードを簡単に伝えることができます。
- 描画中、現在のビューの外側(プロパティパネルやヘッダー、他のエディターなど)をクリックすることで、Continuous Drawing(連続で描画)モードを抜けることができます(be0dcd4)。これにより、モードを抜けるためのEscapeの押下に便利なキーボードが必要なくなり、ペンのみでの操作が簡単になります。
- 新しい依存グラフ有効時(
--enable-new-depsgraph
オプション使用時)、Grease Pencil(グリースペンシル)のプロパティにドライバーが使用可能になります。これはカメラの移動に合わせ、ストロークの幅を自動的に調整するのに便利です。