Doc:JA/2.6/Manual/Render/Command Line

提供: wiki
< Doc:JA‎ | 2.6‎ | Manual‎ | Render
2014年7月6日 (日) 10:14時点におけるwiki>Blendmildによる版 (最新版の英語版にあわせて更新)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

はじめに

レンダリング速度を上げたい状況では、blender にリモートにアクセスしてレンダリングするか、blender をコマンドラインで使うスクリプトを作りましょう。

コマンドラインを使う利点は、X server が不要であるため(Linux の場合)、SSH や telnet でリモートからレンダリングできることです。


引数に関する注意点

空白で区切る必要があります。

 blender -ba test.blend    # 'a'が無視されます
 blender -b test.blend -f8 # '8'はフレーム数として扱われず無視されます

渡した順に実行されます。必ず -f-a を最後に渡してください。

 blender -b test.blend -f 1 -o /tmp  # 出力パスを決める前にレンダリングされ、出力されません
 blender -b -o /tmp test.blend -f 1  # blendファイルのロード時に出力先が上書きされ、/tmpに保存されません
 blender -b test.blend -o /tmp -f 1  # うまく動作します

構文

 blender [-b <dir><file> [-o <dir><file>][-F <format>]
 [-x [0|1]][-t <threads>][-S <name>][-f <frame>]
 [-s <frame> -e <frame> -a]] [[-P <scriptname> [-- <parameter>]]

レンダリングオプション:

 -b または --background <file>
   <file> をバックグラウンドで読み込み(UI非表示のレンダリングによく使われます)
 -a または --render-anim
   開始フレームから終了フレームまでをレンダリング(両フレームを含む)
 -S または --scene <name>
   アクティブシーン <name> をレンダリング用に設定
 -f または --render-frame <frame>
   <frame> をレンダリングして保存
   +<frame> 開始フレームの相対指定、-<frame> 終了フレームの相対指定
 -s または --frame-start <frame>
     開始フレームを <frame> に設定(-a より前で使ってください)
 -e または --frame-end <frame>
     終了フレームを <frame> に設定(-a より前で使ってください)
 -j または --frame-jump <number> 
   フレームのレンダリングごとに進めるフレーム数を設定
 -o または --render-output <path>
   レンダリングの出力パスとファイル名をセットします
   出力パスに blend ファイルからの相対指定をするときは // を 使います。
   ファイル名に # を使うと frame 番号で置き換わります。番号はゼロ埋めされます。
   例:ani_##_test.png → ani_01_test.png
   例:test-######.png → test-000001.png
   ファイル名に # を使わない場合、自動的に #### が末尾に追加されます。
   例:blender -b foobar.blend -o //render_# -F PNG -x 1 -a
     → //render_ は //render_#### になり、フレームが //render_0001.pngとして書き出されます
 -E または --engine <engine>
   レンダリングエンジンを指定します。利用可能なエンジンの一覧は -E help で見られます。
 -t または --threads <threads>
     レンダリングに使うスレッドの量を指定します [1-64]
     0を指定するとシステムのプロセッサーの数が使われます

ファイル形式のオプション:

 -F <format>
   出力形式をセットします。有効な選択肢は..
         TGA IRIS JPEG MOVIE IRIZ RAWTGA
         AVIRAW AVIJPEG PNG BMP FRAMESERVER
     (コンパイルして blender に含められる形式で、システムによっては使えないもの)
         HDR TIFF EXR MULTILAYER MPEG AVICODEC QUICKTIME CINEON DPX DDS
 -x または --use-extension [0|1]
   ファイル名のうしろに拡張子を付加するオプションです。
   0 は付加せず 1 は付加します。

アニメーション再生のオプション:

(play button を押した時使われます。blender は動画プレイヤーのように動作します)

 -a <options> <file(s)>        
   <file(s)> を再生します。-b が使われていなければこの方法で実行します。
     -p <sx><sy>    左下の隅を <sx>,<sy> に合わせて開きます
     -m    ディスクから読みます(バッファを使いません)
     -f <fps> <fps-base>    開始時の FPS
     -j <frame>    フレームステップ
     -s <frame>    開始フレーム
     -e <frame>    終了フレーム

ウィンドウのオプション:

 -w または --window-border
   ボーダーつきで開きます(デフォルト)
 -W または --window-borderless
   ボーダーなしで開きます
 -p または --window-geometry <sx> <sy> <w> <h> 
   左下隅を <sx>, <sy> に合わせ、幅を <w>、高さを <h> にして開きます
 -con または --start-console
   コンソールウィンドウの開いた状態で開始します(-b がセットされていると無視されます)(Windowsのみ)
 --no-native-pixels
   高解像度ディスプレイ(MacBook 'Retina')で、native のピクセルサイズを使いません

Game Engine 専用のオプション:

 -g fixedtime    frame落ちさせずに 50 hertz で実行します
 -g vertexarrays レンダリングに Vertex Arrays を使います(通常は高速)
 -g nomipmap     Texture Mipmapping を使いません
 -g linearmipmap Nearest ではなく Linear Texture Mipmappingを使います(デフォルト)

Python のオプション:

 -y または --enable-autoexec
   Python スクリプトの自動起動を有効にします
 -Y または --disable-autoexec
   Python スクリプトの自動起動を無効にします(pydriver と スタートアップスクリプト)(デフォルトでは非標準としてコンパイルされます)
 -P または --python <filename>
   指定した Python スクリプトファイルを実行します
 --python-text <name>
   指定した Python script text block を実行します
 --python-console
   インタラクティブなコンソールを使って Blender を実行します
 --addons
   カンマ区切り(空白なし)のアドオンの一覧

デバッグのオプション:

 -d または --debug
   デバッグをオンにします
     * すべての operator call と引数を表示
     * マウスのグラブ操作(デバッガーとのやりとり)を無効化
     * sys.stdin の設定を None にせず、維持します
 --debug-value <value>
   開始時にデバッグ値 <value> を設定
 --debug-events 
   event system についてのデバッグメッセージを有効化
 --debug-handlers 
   event handling についてのデバッグメッセージを有効化
 --debug-jobs 
   バックグラウンドジョブの time profiling を有効化
 --debug-python 
   python についてのデバッグメッセージを有効化
 --debug-wm 
   window manager についてのデバッグメッセージを有効化
 --debug-all
   すべてのデバッグメッセージを有効化(libmvを除く)
 --debug-fpe
   浮動小数の例外を有効化
 --disable-crash-handler 
   crash handler を無効化

その他のオプション:

 --factory-startup
   ホームディレクトリの "startup.blend" を読み込みません
 --env-system-datafiles 
   BLENDER_SYSTEM_DATAFILES 環境変数をセット
 --env-system-scripts 
   BLENDER_SYSTEM_SCRIPTS 環境変数をセット
 --env-system-python 
   BLENDER_SYSTEM_PYTHON 環境変数をセット
 -nojoystick 
   ジョイスティックのサポートを無効化
 -noglsl 
   GLSL shading を無効化
 -noaudio 
   サウンドシステムを None にします
 -setaudio 
   サウンドシステムを指定のデバイスにします
   NULL SDL OPENAL JACK
 
 -h or --help
   このヘルプメッセージを表示して終了します
 -v or --version
   Blender のバージョンを表示して終了します
 --
   後続の引数を変更せずに渡して、オプションの実行を終了します。python の sys.argv からアクセスしてください

その他のオプション:

 /?
   このヘルプメッセージを表示して終了(Windowsのみ)
 --verbose <verbose>
   ログ記録の詳細度を設定
 -R
   .blend 拡張子を登録して終了(Windowsのみ)
 -r 
   .blend 拡張子を登録して終了。メッセージを表示しません(Windowsのみ)

実行例

静止画のレンダリング

# blender -b file.blend -o //file -F JPEG -x 1 -f 1
  • -b
インターフェイスなしで blender を起動
  • file.blend
レンダリングする .blend ファイル
  • -o //file
ディレクトリと保存する画像ファイルの名前
  • -F JPEG
JPEG 形式
  • -x 1
ファイル名に拡張子 .jpg を付加
  • -f 1
フレーム1をレンダリング

動画のレンダリング

# blender -b file.blend -x 1 -o //file -F MOVIE -s 003 -e 005 -a 
  • -b
インターフェイスなしで blender を起動
  • file.blend
レンダリングする .blend ファイル
  • -x
ファイル名に拡張子 .avi を付加
  • -o //file
ディレクトリと保存するファイルの名前
  • -F MOVIE
低圧縮で .AVI 動画を保存
  • -s 003 -e 005 -a
開始フレームを 003 終了フレームを 005 にセット。重要: -s と -e は順番が逆だと動作しません!

指定エンジンで Blender を起動する

-E エンジン名 または --engine エンジン名 を使います。

# blender --engine CYCLES

利用可能なエンジンは次のコマンドで一覧表示されます

# blender --engine help または blender -E help

出力の例

found bundled python: /home/satishg/bin/blender-2.65a-linux-glibc27-x86_64/2.65/python
Blender Engine Listing:
       BLENDER_RENDER
       BLENDER_GAME
       CYCLES

[1]    Done                          ~/bin/blender-2.65a-linux-glibc27-x86_64/blender --engine help

プラットフォーム

実際に Blender をコマンドラインから起動する方法は、プラットフォームや Blender のインストールされた場所によって変わります。以下はさまざまなプラットフォームでの、基本的な使い方です。

Windows

コマンドプロンプトを開いて、Blender がインストールされたディレクトリに移動してから、blender コマンドを実行します。

# cd c:\<blender installation directory>
# blender

Mac OS X

ターミナルアプリケーションを開いて、Blender がインストールされたディレクトリに移動してから、アプリケーションバンドル内にある実行形式ファイルを実行します。次のようなコマンドを使います:

# cd /Applications/Blender
# ./blender.app/Contents/MacOS/blender

この操作をよく使うなら、単に「blender」と入力するだけでいいようにエイリアスを作ることができます。そのためにはターミナルで次のようなコマンドを(適切なパスを使って)実行します。

# echo "alias blender=/Applications/Blender/blender.app/Contents/MacOS/blender" >> ~/.profile

これで、新しいターミナルを開けば、次のコマンドが動作します:

# blender

Linux

ターミナルを開いて、Blender がインストールされたディレクトリに移動し、blender コマンドを実行します。

# cd <blender installation directory>
# ./blender

PATH 内に Blender をインストールしていれば(linux distribution package を通じてインストールすると通常はそうなります)、簡単になります:

# blender