Doc:JA/2.6/Manual/Render/Camera/Depth Of Field

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Depth Of Field (DOF) Explained

(被写界深度とは)

現実世界のカメラのレンズや人間の眼球は、光を屈折するレンズ(角膜)や光量を制限する虹彩に光を通過させて、映像、CCD/Cmos センサーや網膜上の像に焦点を合わせます。レンズや虹彩の相互作用により、一定距離だけ離れているものには焦点が合い、それより前や後ろにあるものには焦点が合いません。この距離をカメラや目からの深度(depth)または「Z」距離と呼んでいます。

(現実世界では)レンズに、光はある方向から一定の角度で入ります。視点によって、見えるものは変わります。近づくほど、ものをさまざまな角度から見ることができます。建築用の図面や敷地図のような「平らな」絵を作るために、Blender は平行投影(orthographic)の描画も行えます。したがってレンダリングには透視投影(perspective)と平行投影(orthographic)という二種類があります。透視投影は、視野からレンズに一定の角度で入る光をシミュレートします。平行投影は、無限大の背景平面または平らな網膜に、まっすぐに入る光をシミュレートします(デフォルトでは無効にされています)。

Manual-Camera-DOF.jpg

ものに焦点が合う(距離の)範囲は、虹彩の直径によって変わります。カメラでは虹彩の直径を「F値(f-stop)」で操作します。言い換えると、あなたには上下左右に見えている 視野 があります。お望みならばあなたの描く「絵」にもあります。目からある一定の範囲、または 深度 だけ目から離れたものには、焦点が合います。たとえば、あなたが夜間、10〜15フィート(3〜5メートル)離れたものに焦点を合わせることができるものとします。10フィートより近いものや15フィートより遠いものはぼやけます。このときあなたの 被写界深度(depth of field) は5フィート(2メートル)です。

虹彩が大きいほど、被写界深度は小さくなります。日中、遠くに広がるたくさんのものに焦点を合わせられるのはこのためです(日中は虹彩が小さくなります)。映画の撮影では、焦点が完璧に合っていることを確かめるために、カメラと俳優の鼻の距離を測る役目の人がいます。

この完璧な深度(焦平面(focal plane) と呼ばれます)から離れるほど、ものはぼやけて見えます。実は、焦平面の前後にある、ものがぼやけていないとみなせる範囲が被写界深度です。Blender では、この距離を Dof Distance、「Depth of Field Distance」と呼び、カメラのオブジェクトデータパネルで調節できます。別の方法として、Dof Object 欄にオブジェクト名を入力すれば、オブジェクトにカメラの焦点を自動的に合わせ続けることができます。

Field of View and Lens Size

(視野とレンズのサイズ)

視野はレンズの大きさによって変わります。カメラでは 35mm レンズがだいたい標準サイズです。これはこのレンズの撮る写真が、目から見える絵に似た大きさであることと、やや近くから撮影できることが理由です。Blender では、Camera の設定でレンズのサイズを変更します(35mm がデフォルト)。遠く離れた写真を撮れる長いレンズも同じ視野を持ちますが、多くの演出家が好む独特のパースを持っています。カメラが演者から遠く離れているため、場面は「凝縮され」、一帯が平坦になります:

10 units 離れた位置からの 35mm レンズ
60 units 離れた位置からの同位置/回転の 210mm レンズ
50 units 離れた位置の 210mm。35mm の撮影に似た絵が枠に入るよう位置調整


Zooming in Blender

(Blender のズーム操作)

ズームは絵の一部分を広げる機能です。人はこういったことはできません。いえ、前言撤回して…我々もできます。我々はソファから起き上がって、見たいものに近づけます(しかしこれは「ズーム」と言うより「移動」のようなものです)。Blender ではどちらの操作も行えます。移動撮影(track in/out、あるいは truck(トロッコ)in/out)のためにカメラを近づけたり遠ざけたりすることも、レンズのサイズを変えることも、その両方を使うこともできます。これらの動作はそれぞれ、カメラやオブジェクトに補間曲線(interpolated/Ipo curve)を割り当てて自動化できます。

Depth of Field in Computer Graphics

(コンピュータグラフィックスにおける被写界深度)

コンピュータグラフィックス(CG)においては、物理的なレンズや虹彩は存在せず、被写界深度(depth-of-field)は無限大で、常にすべてのものに焦点が合います。しかしながら美術的な理由により、主人公に焦点を合わせて他は少しぼかし、背景に視聴者が目を合わせて気が散らないようにしたいことがあります。また、主人公だけに焦点が合えば、主人公を見分けやすくなります。このため、あるエフェクトを―すなわち 被写界深度エフェクト を作って画像を合成し、ポストプロセスを施して現実味のある結果を作ります。