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2018年6月29日 (金) 05:50時点における最新版

Blender 2.64 リリースノート

Blender Foundation とオンラインの開発者コミュニティは Blender 2.64を公開できることを誇りに思います。このリリースは Blender を Mango オープンムービープロジェクト用に改良することと、それ加え過去数年間のブランチとパッチを統合することを目的としています。

焦点となったのは平面トラッカーを使用した改良版モーショントラッキング、より簡単になったグリーンスクリーンキーイング、新しいマスクエディターによる、フル VFX パイプラインです。タイルベースドコンポジティングシステムや、さらに進化した色管理も追加されました。Cycles レンダリングも制作に使用された結果より、小さな機能や改良が多数追加されました。

スカルプティングはマスクに対応し、スケルトンからモデルをすばやく作成するスキンモディファイアーが追加されました。ゲームエンジンは影と物理オプションが改良され、Collada エクスポータは他のゲームエンジンへのエクスポートを調整するためのオプションが増えました。

VFX

マスクエディター

Blender2.64 mask.png

マスクを画像やムービークリップエディター内に作成できるようになりました。これらは合成作業中でノードの影響する領域を指定したり、あるいは余計なオブジェクトの排除、他の物に混じった物のグリーンスクリーンキーイングの補助などに使用されます。また、通常のツールで作成・編集が可能なスプラインからなるマスクデータブロックが追加されました。スプラインのポイントごとにフェザリングもコントロール可能です。これらのマスクのアニメーションも標準のキーフレームで可能で、モーショントラックの追従もできます。

モーショントラッカー

Blender2.64 tracking.png

モーショントラッキングが平面トラッキングの追加により、大幅に進化を遂げ、さらに細かいコントロールとともに、現存のトラッカーとのハイブリッドトラッカーに統合されました。カーブビューに加え、マーカー用のドープシートビューが追加されました。カメラが移動せず回転のみ行う場合のための三脚ソルブに対応しました。

グリーンスクリーンキーイング

WIP Keying GreenScreenImage.png

グリーンスクリーンキーイングをもっと簡単にすることを狙いとした、二つの新しいコンポジティングノードが開発されました。既存のノードの様々な機能を組み合わせるのに便利なキーイング(Keying)ノードに加え、新しいキーイングアルゴリズムにより、非常にすばやくセットアップできるようになりました。また、色が均一でないグリーンスクリーンを処理するためにグラデーションプレートを生成する、キーイングスクリーン(Keying Screen)ノードもあります。

レンダリング

コンポジットノード

Blender2.64 compositing reroute.png

コンポジットノードの全く新しいバックエンドが実装されました。この新タイルベースドコンポジターは、編集中の高速なフィードバックを提供し、少ないメモリ使用量による高解像度での作業に対応しています。新しいノードは Switch、Reroute、Bokeh Blur and Image、Box Mask、Ellipse Mask、Color Correction です。

色管理

Blender2.64 color management.png

色管理システムの再設計に加え、OpenColorIO が Blender に統合されました。従来、Blender はリニア sRGB / BT.REC.709 色空間のみ対応していました。現在はさらに多くの色空間に対応し、表示用、レンダリング画像用、画像ファイルの読み込みと保存用の色変換を、別々の色空間で細かくコントロールできるようになりました。

Cycles レンダリング

Blender2.64 cycles fisheye.png

Cycles にサンプリングの細かな調整ができる新しいノンプログレッシブインテグレーター(non-progressive integrator)、セーブバッファに対応したタイルレンダリング、大幅に高速化した BVH 構築とマルチスレッド画像読み込み、モーションベクトルと UV レンダーパスなどが入りました。新しいノードは Light Falloff、Object Info、Particle Info、Brick texture で、Image テクスチャノードは、ブレンドボックスマッピング(Blended Box Mapping)や連番画像(Image Sequence)の処理が行えるようになりました。また、魚眼レンズ(Fisheye Camera)レンダリングにも対応、その他様々な新オプションがあります。

シーケンサー

Blender2.64 SequencerOverlaySettings.png

色々なスピード改善がシーケンサーに実装され、ほとんどがエフェクトストリップのキャッシュとマルチスレッディングに関する物です。これらの変更により、カラーグレーディングをよりインタラクティブに行えます。オプションも改善され、カレントフレームと参照フレームとの比較もできるようになりました。

モデリング

メッシュツール

Blender2.64 mesh modeling.png

ベベル(Bevel)と差し込む(Inset)がマウスコントロールによるモーダルオペレータとなり、辺をワイヤーフレームの管に変換するワイヤーフレーム(Wire Frame)ツールが追加され、頂点・辺・面をソート(Sort)するツールが改良されました。

スカルプティング

Rel264-sculpt-masking-roberto-roch.png

スカルプティングに大きな改良がいくつか行われました。スカルプティングの影響するメッシュ領域をコントロールするマスキング、テクスチャがモデル上に投影される方法をコントロールする新しいブラシマップモード、ブラシのストロークをスムーズにする入力サンプルオプションなど。

スキンモディファイアー

Rel264-skin-section.png

スキンモディファイアは頂点と辺で作成されたスケルトンを入力とし、ポリゴンスキンを出力として生成します。出力は大半が四角形面ですが、交差部分の周辺には三角形面が現れます

Bsurfaces v1.5(英文)

Blender2.64 Bsurfaces.jpg

Bsurfaces v1.5は、インタラクティブなモデリングとリトポロジープラグインのための更新をもたらします。更新には、選択物のフリーハンドのストロークを使用したサーフェスの構築・押し出し・ブリッジング、ストロークをベジェスプラインとして編集、ストロークをサーフェス構築後に保持し変更や再利用する、すべての設定をリアルタイムでインタラクティブに変更するなどができます。

その他

ゲームエンジン(英文)

BGETitlePicture.png

Variance シャドウマップ、シャドウカラー、サンランプシャドウ、ランプテクスチャに対応し、ランプと影が強化されました。2のn乗サイズ以外のテクスチャや圧縮テクスチャの読み込みが速くなり、メモリ消費量が減りました。プレイヤーがコントロールするキャラクターに、完全な力学シミュレーションが予期せぬ挙動を与えるために設計された、キャラクター物理タイプが追加されました。

Collada(英文)

Rel264-collada-section.png

ゲームエンジンのエクスポート対応の向上、どのデータをエクスポートするかをコントロールできる細かなオプションなど、Collada エクスポータが改良されました。

その他の機能

Blender264 custom node colors.png

他の領域の大きな改良の一方で、ノードエディターや煙シミュレーション、ユーザインターフェイスの改良や、カーブやメッシュなどの新しいツールのような小さな変更がたくさんあります。

バグ修正(英文)

このリリースには大量の新機能が追加されていますが、同時に前回リリースにあったバグの大量修正も含まれています。